打ち切られた漫画の続きをクラファンで発刊?!
なんとなくTwitterを眺めていたら、こんなツイートを見かけました。
【漫画クラウドファンディング構想】
連載が打ち切られてしまった漫画の続きを書くために支援者を募るクラウドファンディング
漫画村よりこういうのやりたい!
ずーっと構想はあったのですが、権利関係や後ろ向きな理由もあるので100RT行ったらサービスを作りたいと思います意見ください! pic.twitter.com/xWWBJYZJ9S
— タロウ@YouTuber・ブロガー・アフィリエイター (@syuty) 2018年3月18日
しばしばこの手の事は起こるのですが、ちょっと考えさせられたので記事を書きますね。
そもそも論が私の中で発生中
なんだか私の中でたくさんの「そもそも」が発生しています。
これを一つ一つ書き出してみました。
連載中の漫画が打ち切られる理由
まず、そもそも連載漫画が打ち切られた理由の大半が「つまらなかった」からに他ならないわけです。
だって、出版社が発刊している漫画って「ビジネス」ですもの。
当然、利益にならない漫画は打ち切られてしまいます。
そして残念ながら、ここにファンの気持ちや意見は含まれておりません。
商業誌はビジネスです。酷な話しですが、出版社は会社なので利益を上げなければならないわけです。
利益がなければ作家さんにお金が入りません。ですから、作家さんも必死で漫画を描いてます。
アンケートや感想を出版社に送っていますか?
漫画雑誌にとって読者アンケートは非常に重要なポジションにあります。
それは、読者と出版社と作者をつなげるただ一つのラインだったからです。
今はSNSがあるので、ファンと作者が個でつながる事が可能な場合もあります。
ですがそれは、作者がSNSをやっている事が前提なので、やっていなければ
出版社を通すことになります。
という事は、つまりこの漫画が大好きで毎回連載を楽しみにしている、と言う気持ちを伝えるのであれば
アンケートや感想を出版社へ送れば良いのです。
しかし、このツイ主さんは「打ち切り作品の続きが読みたい」といった気持ちの人を集めて要望として
出版社へ持って行っていない様子。
もし要望を持って行ったら、出版社も「そこまで要望があるのなら」と動いてくれるかもしれません。
例えば集英社は、子会社が多くそこで発刊している雑誌も多々あります。
マンガ連載を行うのは、何も漫画雑誌だけではありません。
一部のファッション誌の中に連載漫画を掲載していますし、続きが読みたければ買ういませんか?
まずは出版社に要望をあげてみましょう。それで動かなければクラファンで、と言う順序が納得行くのですよね。
あなたは出版社へ送ってますか?アンケートや読後の感想を。
作者あっての続き
実は「打ち切られたけど、私どうしても続きが描きたいの!だから支援お願いします!」とクラファンをする作家さんはいます。
これはこれで全然良いのです。作家さんと読者さんが直接つながっているわけですから。
ところが、ファンが「続きを読みたい」がためにクラファンで支援金を集めて
そのお金を作者さんへ持って行って「お金集まりましたので、続き描いてください」となったら
まず間違いなく失敗します。
理由はだいたい以下の通り。
- 別の連載を抱えている
- 旨味がなければやらない
- 黒歴史だから触れないで
現在、別の話を連載中の場合
単純に時間がない。人手もない。だから描けない。
次に打ち切りになった昔の漫画を今更描くメリットが無いと動かないですね。
そもそも人は理由がないと動かない生き物です。
果たして今、打ち切りになった漫画の続きを描く旨味はあるのか?
それより新連載や読み切りを描いたほうが良いんじゃないか?
夢のない話しに聞こえますが、現実はこれだよね。
黒歴史になっていた場合
そもそも連載打ち切りの理由は前述したとおり「漫画が人気なかった(要するにつまらなかった)から」です。
例えば作家さんと編集担当さんとの相性が悪かった場合、仕事ヤリヅライデス。
相性が悪い場合の力関係はこんな感じです。↓↓
作家さんは描きたい物がある VS いやまず人気出したい編集担当さん
力の弱い作家さん、特に新人作家さんだと、編集担当さんの言いなりになってしまう事が多々あります。
そうなると例え連載中でも、もうこの作品は黒歴史以外の何物でもないわけです。
あなたは、黒歴史をほじくり返されてまで動きたいですか?
そっとしておいてくれる?
って思いませんか?
じゃあ、どうすれば続きが読めるの?
出版社に話し(企画)を持って行く
まずは、出版社に話を持っていくのです。この場合の話とは「企画」を持ち込みします。
最近は70年代あたりの古い漫画が別の作家さんの手によって、作品が連載されているケースが多々あります。
実はこれも企画と実行するプロデューサーの力によるものです。
漫画連載は大勢の人と関わり、多くのお金が動く事になりますので、判断は慎重にならざるを得ません。
ですが、企画力と行動力があれば実現するわけです。(もちろんやり方次第のところもありますが。)
直接作家さんに話を持って行く
出版社でダメなら作家さん自身に直接話を持って行きます。
クラファンを使うなら、ここです。ここ。
当たり前のことですが、権利関連云々より人として筋を通すことが大事です。
でも実際にクラファンで漫画製作やってるよね
冒頭でも書きましたが、漫画の続きが読みたいとか復刻して欲しいとかでクラファンを募るところは
しばしば出てくるわけです。
もう終わってしまってますが、例えば「上山徹郎」の漫画の復刻版を作るために
クラファンで支援者を募っていました。
参照https://camp-fire.jp/projects/view/38966
彼のツイートだけを読むと、これらのクラファンとの違いが良く分かりません。
漫画とクラファンの関係は継続性が薄いと感じられるので、果たしてビジネスとして続けられるのか
はなはだ疑問が残りますね。